院長のコロナ陽性記(第7病日)
9月6日岸田総理大臣からコロナに関する隔離期間短縮の発表がありました。
・症状ありの陽性者は症状消失24時間かつ7日間
・症状なしの陽性者は抗原検査陰性かつ5日間
が隔離解除の条件になり9月7日から施行とのことです。
報道を見ていて誤解が生じないかなと思いました。症状ありの陽性者とは症状があって検査をして陽性となった人です。症状なしの陽性者とは症状がなくて検査をして陽性となった人です。私は現在症状なしで隔離期間を過ごしていますから症状なしの陽性者ということになりますがこの分類からいえば症状ありの陽性者になります。一般の方が間違えない様に隔離期間を保健所が明確に陽性者に伝えてもらえればと思います。
症状ありの陽性者が新しい基準に基づいて7日間で隔離解除になったとしましょう。8日目から仕事に出勤するなり、学校に登校する様になるでしょう。
状況は今までと変わってないので大丈夫なの?という疑問が生じると思います。インフルエンザの時の様な治療薬タミフルを5日間内服してウイルス量が減っている状態なら安心でしょう。しかしまだコロナに関する治療薬が容易に使用できる状況にはなっていません。7日間経過して人に移す可能性があるのかないのか気になりませんか?
国立感染症研究所のデータによるとオミクロン株のウイルスはワクチン接種の有無にかかわらず時間の経過とともに減少し、診断・発症から7〜9日間、症状軽快から2日間コロナウイルスを排出しているとのことです。少ない数のデータですがオミクロン株を発症した57人を調べたところウイルスが残存するリスクは発症から8日目で約16%、9日目で約10%、10日目約6%だそうです。ということは今までの基準症状消失72時間かつ10日間であればほとんど人に移す心配なく隔離解除されていたことになります。今回の基準での解除は確率的には低いかもしれませんが解除後、人に移す可能性がまだ残っていますから健康観察を継続しながら感染対策を徹底することが必要になるということです。隔離解除になったから何でも大丈夫は危ないということです。個人的には10日間が隔離解除のギリギリラインかなと思っていましたが、社会活動を回すための基準変更と思いますので皆がこういうことを理解して受け入れる必要があると思います。ただ7日間で隔離解除になった人を感染の危険があるからと特別扱いしたり、あなたは感染させる危険があるとか責めたりすることがない様にしなければなりません。
日本人という国民性からこういうことを心配するのかもしれませんが、これが欧米人ならそれ位なら大丈夫という結論になるのでしょうね。マスクを使用する使用しないの問題も同じですね。
ところで私は症状ありの9月1日発症ですから新しい基準だと7日間の9月8日まで隔離、症状消失24時間以上経過していますので9月9日から出勤可能になります。まだ保健所から隔離期間変更の連絡は来ていません。医療従事者なので内容を理解していますが、報道を見ただけで勝手に隔離期間変えても良いのかな?と感じています。仮に9日金曜日から出勤したとしても土日になりますから12日月曜日から出勤の方が安全かなと考えています。そうすれば人に移す可能性はほとんどありません。種々の状況を考慮してうまく運用されることを祈っています。