院長のコロナ陽性記(第6病日)
昨日、コロナ治療薬のことを書きましたが丁度インターネットにこれに関する情報が載っていたので紹介します。
感染症学会と日本化学療法学会が十分なデータがないまま緊急承認を求める提言をして現場の医師たちから批判を浴びている「ゾコーバ」の問題。
学会側は重症化リスクの高い患者や60歳以上にしか内服薬(ラゲブリオ、パピロキッド)がないことから軽症者にも使用出来る薬が緊急に必要とされているという前提のもと第3相試験が終わらない段階で提言を提出。
神戸大学感染症内科教授の岩田健太郎氏はこの提言について「流行を抑えたいということであれば感染そのものをブロックするのが一番いい。感染してからウイルス量を下げても流行を抑えるのは机上の空論で理屈としては成立するかもしれませんが実証したデータはありません。」8月末にエバシエルドという抗体薬の注射薬が緊急承認されています。「感染する前にリスクのある人に使用すると発症しない薬です。こちらの方がより合理的です。」「ただやはり一番効果的なのはワクチンです。20〜30台を中心に感染が広がっていてそれが社会を逼迫させているわけですが、それはこの年代でワクチン接種率が極めて低いからです。」「感染症学会がもし流行を抑えるために声明を出すのであればワクチンをもっと打ちましょうというのが筋です。しかもワクチンには堅牢なエビデンスがあります。」「ゾコーバについてはウイルスを抑える効果はありますが感染そのものを抑える効果はなく感染したという診断があって初めて内服薬として成立します。コロナは発症前から人に感染させますし流行を抑えるべくエビデンスもない。学会の提言は机上の空論です。よりエビデンスがあるワクチンを使いましょうというべきです。」
軽症な感染者、特に若い人は薬を使っても使わなくても重症化せず勝手に良くなるのがほとんどです。そうであればエビデンスが確立していない段階で無理して治療薬を使う理由はありません。薬屋が儲かるだけです。対症療法だけで問題ないのであればそうすべきです。医療界では利益相反があるかないかという言葉を使用しますが、根拠もなく薬屋が儲かる行為に加担することは避けたいですね。
パキロビッドパックは併用禁忌薬が多いなど種々の問題があり、またラゲブリオは2022年8月10日に薬価収載されようやく現場で使用出来る様になったばかりです。現在承認されている抗ウイルス薬を国が管理ではなく、流通を良くして現場で使用し易くすることの方が先の様な気がします。
ワクチン接種に関しては明らかに重症化を予防出来るというエビデンスが出ていますのでまだ未接種の方は検討してください。3回目接種がまだの方もぜひ検討をお願いします。石垣で接種出来るのは9月30日までで、個別接種しか対応していません。接種希望の方は実施している医療機関に問い合わせをして予約をお願いします。