院長のコロナ陽性記(第5病日)
1日1回のMyHER—SYSへの入力送信のみで他のルーチンはありません。重複していたMyHER—SYSと同一内容の音声ガイドによる電話聞き取りの電話もかかってこなくなりました。今日現在で私自身に症状はありません、ロキソプロフェンを数回内服後から咽頭痛も消失し、咳も出なくなりました。このまま終わってくれれば良いですが、隔離解除後に後遺症が残る方が30%位いるようですので今後何もないことを祈るばかりです。
インフルエンザであれば治療薬としてタミフル(5日間内服)、リレンザ(5日間吸入)、ラピアクタ(1回静注)などがあります。治療薬があることで治療が行われればウイルスの増殖が抑制されて症状消失48時間かつ5日間で隔離解除となります。コロナには残念ながらまだ容易に処方出来る治療薬が出て来ていません。コロナに対してパキロビッドパックとラゲブリオという経口内服薬が出ています。安定供給が難しいため国が薬を買い上げて登録された医療機関のみが処方出来るようになっています。何よりこれらの薬は高価で個人負担で処方するには無理があります(5日間内服で10万円弱の薬価)。コロナが現在感染症の2類に分類されているからこそワクチン接種が無料で出来る様にこれらの薬が処方されても個人負担にならず治療が行われているわけです。どちらの薬も症状発現から5日以内に処方する必要があり、早期に診断される必要があります。この地区では県立八重山病院の先生が症例の内容を確認し適応症例に処方してくれていると思われます。タミフルの様な通常に使用できる治療薬がないためコロナは症状消失72時間かつ10日間で隔離解除と自然経過を見るしかありません。私も第5病日時点で症状はありませんがあと5日間自宅療養を継続せざるを得ない状況です。
個人的にはワクチン接種が進んだ現在、容易に処方出来る治療薬が出ればコロナは収束方向と言えると思っています。現在厚労省で治療薬が審議中ですが承認に至っていません。関連2学会から早期承認の要望が出た様ですが有効性のデータが示されていない限り承認されるべきではなく追加データをもって判断すべきでしょう。初期の頃日本では一部医療従事者からレムデシベルが有効と言いながら結局はWHOから最終的に有効性はないと示されたことを思い出すべきです。